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🌺 布製の花を服に留めることは特に新しいことではなく、100年以上前から行われてきた。
コサージュには新しいものを買わなくても既存の服の印象を変える力があり、大恐慌時代の1920年代、ファッション愛好家たちはそれをよく理解していた。
「コサージュは、ある服から別の服へ、あるいは帽子へと付け替えることができるものでした」と、20世紀ファッション史家でディーラー、コレクターのリズ・エグルストンは言う。
「衣服の数が少なかった時代には、比較的安価な布製の花で着こなしのレパートリーを増やすことができたのです」
近年のコサージュの復活については、多くの人が「グッチ」の前クリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレの功績だと口を揃える。
彼は2015年のメゾンの最初のコレクションで、襟元に大輪の花を添えた。2022年春夏コレクションでは艶やかなスーツの襟元に巨大なユリが咲いていた。
他のブランドのランウェイでもコサージュが目を引く。「サンローラン」は2022-23年秋冬コレクションでクラシックなレザージャケットやピーコートのラペルに、かっちりしていないオーバーサイズの花をピンで留めたものを発表。
また、「プラダ」の2023年春夏コレクションでは、カジュアルなジャージー素材のドレスにサテンの花びらのアップリケがたっぷりと施され、生き生きとした印象を与えていた。
「シャネル」は2023/24年秋冬 プレタポルテ コレクションで、このトレンドをシックに解釈した。
初めてココ・シャネルがカメリアをシフォンドレスに留めてから100年、「シャネル」ではショー全体を彼女の愛した花、カメリアをテーマにコレクションを構成。
レザーやウール、ツイードのコート、トップス、ジャケットには、いくつもの立体的なカメリアが添えられた。
コサージュは、数年前からコペンハーゲンのファッションシーンでも支持を集めている。
デザイナーやスタイリストなど幅広く活躍するペルニル・ローゼンキルドは、デンマークのブランド「Damernes Magasin」のサテンのバラとカメリアを所有しており、首元に3つとも付けたり、あるいは「バイ マレーネ ビルガー」のニットスカートのベルトに一つだけ取り付けたりして楽しんでいる。
彼女はまた、「セックス・アンド・ザ・シティ」の最終回でキャリーがパリで着ていたものと同じ、「ソニア リキエル」の胸元に大輪の花が付いたストライプのニットも手に入れている。
そのほか、コペンハーゲンのブランド「SAKS POTTS」では、コットンポプリンのシャツに合わせたストライプのバラや、メタリックレザーのカメリアなど、過去3回のコレクションでコサージュが登場した。
ところで、花に関するトレンドについて語るときは、2006年の映画『プラダを着た悪魔』でミランダ・プリーストリーが会議のシーンで言い放った不朽の名ゼリフを思い出さずにはいられない。
「春に花柄? 斬新だこと」
コサージュが私たちのワードローブにインスピレーションを与えてくれるなら、それはまさに斬新なアイデアだと言えるはず。
【“コサージュ”が再登場!今季の着こなしに欠かせない理由】の続きを読む